2021-11-04 11/4 自分の呼吸の音が酷く不快だった。 貴方に届かない場所でずっと歌っているあの日の私みたいだった。 叱責の声ももう聞こえなくて、ほらねって微笑む風のさざめきが愛おしかった。 どこに行ったのだろう。 皆目見当の付かない問だ。 貴方へ捧げた昨夜の言葉とか、全部聞こえないままでよかった。 貴方が甲斐性なしでよかった。 きっとこのまま死にゆく解だ。 大丈夫と呟いた。 大丈夫と言い聞かせた。 これらの遊楽を許すまじと。