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愉快な音楽のピッチがいやに歪んで聞こえた。僕にはそれを正とする外なかったのだけれど、眠れる森のナントカのように美しくつつましく待っていることもできずに走り出した。きみは月の光さえ反射して耀くような、妖精のような、そんな尊いひとで、それなら僕は悪役にもなり切れないからきみのそばで羽虫のように飛び回ってみせた。きれいな言葉はいらなかった。そこに理由なんてなかった。最低な気持ちをぜんぶ拾って僕に投げつけられたみたいだ。僕はそれをまたぜんぶ拾って投げ返した。後ろ指はあすの自分に。