整備された道は味気がないと言った。
わたしはそうは思わないけれど、とりあえず頷いた。きみは満足げだった。
なぞって確かめるみたいに単純だったらよかった。
きみみたいに全部が純な悪だったらよかった。
人生だって勘違いで成り立っているようなものなのに、ぜんぶ壊れるのが怖かった。
あの日の屋根の上には灰色の走馬灯がうかんだ。
愛したものだけひとつずつ数えた。
土と一緒になる日を待ち望んでいた。
きみは幸せそうに哭く。
ずっと待っていたんだ。
ありったけの殺意は空を切った。
おはようと呟いた。
世界が睡る4秒前。